福島の子どもを救えなければ、日本中のどこの子どもも救えない
2011年05月09日
あまりの事態に言葉も出ない気がします。先週発表された、航空モニタリングの結果を見て愕然としました。チェルノブイリを越えているわけですが、その危険な地区に人がまだ住んでます。当時のソ連より事故対応が酷いわけですね、この国は。
事故発生後からずっと、東京電力の会見は見続けているのですが、なんでかといえば情報が欲しいからです。だってニュースにならねぇんだもんな、原発の事はさ。汚染度がチェルノブイリを超えたとかそういうヤバそうな情報に限って出てこない。この話も、突然発表された「浜岡原発停止」という、とりあえず嬉しいんだけど浜岡だけかよというニュースで完全に飛んだ。飛ばしていいのか、これは!
やっぱり、会見をちゃんと見てないとダメだなと。
会見も今や、合同会見になりまして、とにかく長くて全部見るのが辛いわけですが(先週だったかな?5時間越えは)、朝まで生会見みたいな様相を呈してきて(朝まではやってないけど)出てる記者の皆さんもさぞやお疲れであろうとお察しいたします。
私なんざ人間がおちゃらけてますし、無類の面白がりなんで、このような未曾有の事態だというのに、東電の単独会見の時ですら出てくる皆さんが個性的で面白がっていた部分があった気がしますが、合同会見になりましてその比じゃないほどの個性的な面々に、時折事態も忘れてうっかり笑ってしまいそうです。
特に、後ろに控えている面々の個性の強さといったら、東電の比じゃないというか東電がまともに見えたりするわけです。合同会見初日から、なんというか手塚治虫の漫画に出てきそうな奇妙な髪型のおじさんが何度もカックンと寝落ちする姿が映り込んでいたり、本部長の後ろの童顔で顔色の悪い兄ちゃんが背後霊にしか見えなかったり、スナイパーというか、殺すといわんばかりの目つきで記者を見据えているとか、ある官僚の方の胸ポケットに、なぜそれほどというような数の赤ペンがぎっしり入っていたとか、余計なとこに目がいっちゃってましたが、近頃はまた一段と個性的な方が増えまして、どうしようかと。どうもしなくてもいいんですが。
頭のいい人って、変わってるよな。という凡人の感想なわけですが、事態はホントにそれどころじゃないわけで、どうするつもりなのか、いい加減にして先行きというものを示して欲しいものです。
このブログでは、あまり政治的な発言は止めておこうと思っていたのですが、なんちゅーかどうしてそんなに呑気なんだともの凄く不安になりまして、こうして書いておるわけなのですが。
この事故以来、食品の基準値やら上げられちゃってるんで信用できる指針がない状態な訳ですが、私としては、幼児を養育しているまっただ中なんで、危険なものには近づきたくないのは当然の親心でして、一番恐ろしい内部被ばくを回避するためにも食品には気を使っております。
我が市は、事故直後からのモニタリングポストのデータが県内では一番高い値でした。市議会では故障していたかもみたいな話もあったようですが、ハッキリした事は判りません。私は個人的にはずっと雪の影響ではないかと思っていたのですが。
ですので、今年は葉物野菜も山菜も止めておきましょうという結論に達しました。畑職人の姑には申し訳ないのですが、全品お断りさせて頂いております。えへ。
ところで、我が家の隣には異常な熱意をもった畑職人がおりまして、早朝から深夜まで畑で過ごし、夜中の10時にいきなり消毒薬をまいたりするおじさんがいるのですが、この方が作った葉物野菜が某スーパーで受け入れ拒否されました。理由は判りませんが、多分消毒のし過ぎではないかと推察されます。それを、始末に困って我が家に持ってきたというのです。いらんがな。
応対した姑は「家の嫁は神経質で、私が作った野菜も放射能が怖いと食べてくれないから・・・」と断ったそうです。すると隣人は「そうなの・・・、なんともないのにねぇ」と。
そりゃ、なんともねぇだろうよ。無味無臭の放射能だもんな。
ていうか、なんともないのはアナタがお年寄りだからで、幼児のいるわが家では怖くて食べさせるわけにはいきません。いや、それ以前にスーパーで拒否されたものを持って来るのはヤメテ欲しいんだが。
この国の食の安全って・・・いったい・・・。
モニタリングポストについては以前から疑問がありまして、あのチェルノブイリ原発事故のときに日本のモニタリングポストは通常通りの値だったとかいう噂もあったし、いや、古い話は置いておいても、どこで測っているのかが問題で、当市は地域振興局の屋上にあるという事です。屋上って・・・アンタ、そんなとこには人はいないだろうよ。
しかも、空間線量なわけですよ。指針としてはそれで十分という事なんでしょうけど、実際事故が起こってしまい、大気中に放射性物質が巻き散らかされたときに、空間線量だけで安全宣言なんか出されてもな。
私は全然安心できません。
何故なら、この地も事故直後にはモニタリングポストの放射能値が上がったわけで、上がったという事は放射能が来たということです。来た放射能は、いくらモニタリングポストの値が下がってきたからといってどこかに消えてなくなったわけじゃありません(半減期の短いモノ以外は)。ここに今もあるんです。
そんなとこで、子どもを遊ばせる気になんか到底なれません。
風評被害を助長しようという気は毛頭ありませんが、今の状況って一概に風評被害と言っていいのかという疑問があります。風評被害というのは根も葉もない話をいうのであって、本当に風評なのかなと。基準値上がってるしな。
隣のおじさん(と一緒にしたら悪いかもしれないけど)みたいな農家もいるわけで、出荷停止なのが判っていて出荷していた農家だってあったしな。食べちゃってからじゃ遅いんだもん。私なんざどうでもいいけど、子どもにはさ。
チェルノブイリの子どもたちの支援をしておられる、広川隆一さんのお話で、チェルノブイリ周辺の医師がある日何気なくその時食べていたものをレントゲン写真の上に置いていたと。翌日見たらその部分が感光していたそうです。常日頃食べていた食品がとんでもない放射能値を出していた事にその時始めて気が付いたそうです。広川さんが一番最初にした支援は、食品の放射能値を測る機械を届ける事だったそうです。
今、福島の子どもたちを思うと胸が痛くてたまりません。
なんとか早く、子どもたちと妊婦さんは避難させてあげて欲しい。
子どもは大人の10倍から20倍も影響を受けるという話もあるので、早急に何とかしてあげたい気持ちでいっぱいです。お腹の中で育っている子は更に影響が大きいし。20ミリシーベルトなんてとんでもない。子どもは放射線管理区域で働く労働者じゃないんだ。
もう既に被ばくしていたとしても、これからでも避難するということにはこれ以上の被ばくを避けられるというとても大きな意味があります。早く避難して欲しい。そして、福島の子どもたちが正しい情報と根拠に基づいて保護されれば、それに続いて周辺地域の子どもたちにも適切な保護が為されるであろうと思います。
CSの番組で、福島のあるお母さんが言っていた言葉がとても心に残りました。
「子どもを思う母親の気持ちは、日本でも世界でもどこでも同じです。それをあなたたちみたいに(文科省の役人に)、安全な所で暮らしている人に数字だけで決められたくない!」
すごくよく判りました、その気持ち。私も、子どもを守りたいと思う、どこにでもいる母親の一人だから。
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