追
2010年05月30日
仕方のない事なんですが、少し遠出のドライブを子どもとしなければならない便宜上、子どもが退屈しないように彼女向けのCDを買いました。それはいいのですが、それを買ったおかげで、満杯だった車に置きっ放しのCDを整理したのですが、その中にレスリー・チャンのCDがありまして。改めて聞いてやっぱり、今、レスリーがいない事が哀しいなぁと思って泣けました。
「覇王別姫」や「金枝玉葉」の主題歌も入っているのですが、やっぱり「金枝玉葉(君さえいれば)」の「追」が好きだった。
ローズという歌手に憧れていたウィン(アニタ・ユン)が彼女の恋人でプロデューサーのサム(レスリー)のオーディションを男装して受け、合格してしまったが、サムと共同生活を送るうちに恋心が芽生え、だけど二人を崇拝していたため言いだせず、サムの方もウィンの事が気になるのだが男だと思い込んでいるために自分がゲイなのではと悩み、打ち明けられない。そんな二人の恋の行方を綴った映画だった。
「追」はその中で、サムに言いだせないウィンのそれでも抑えきれないとてもピュアな想いを、まるで彼女が語るようにたどたどしく、この曲の中で印象的なフレーズをウィンが大事にしているフレーズとして奏で、その旋律にインスピレーションを受けたサムが曲として完成させていくのですが、そういう過程を経ているだけに、映画を観た人にはこの曲は印象深い。
この曲はこの映画そのものという印象だ。
よく考えると、あるかそんなの!というシュチュエイションな訳ですが、だけど主演の2人の力で、強引にうやむやのうちに納得させられて最後までうっかり見ちゃった揚句に感動までしちゃうような映画な訳です。
しかも、いい映画だったとか思っちゃたりして。いや、いい映画なんですよ、ホントに。
だって続編までウキウキして見ちゃいましたもん。
だけど、今、やっぱりこの曲を聴くのは堪えるなぁ。
レスリーが本当にイキイキとして輝いていて、レスリーのいいところが溢れていて・・・そんな映画だったから尚更。
それと。この映画の続編「金枝玉葉2(ボクらはいつも恋してる!)」に出演していたアニタ・ムイも同じ年に亡くなっているわけで、もうこの年はどうかしたんじゃないかというほどショックだったなぁと。
アニタは病死でしたがレスリーは自殺と思われる死に方だった。真意の程はもう判らないけど。
今でもきっと、香港映画が好きな人や好きになった人は、この二人を必ず、それもたくさん観るだろうし観ることになるから、同じ年にこの二人が亡くなって、もういないということは衝撃だと思う。
それだけ、この二人はたくさんの重要な作品に出演していて、本当にスターだった。ああ、もっと観たかった。
そういうことをいっぺんに思い出す。「追」聴いていると。
映画のいい思い出を思いだすと、途端にアニタとレスリーがいないということを思い知らされるんだ。
二人とも早過ぎたよ。逝ってしまうのが。
本当に、もっと観ていたかったんだよ・・・。
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