藤田まことさん
2010年03月06日
このタイトルで何度か書き出してはその度に消して、結局今日の今日までな~~んにも書けずにきてしまった。なにより、藤田まことが死んだと聞いてこれほどショックな自分がいるとは思ってもいなかった。本当に、もういないのかなぁ・・・。
昨日、激闘編の最終回の放送がCSであったけど、あのラストシーンの主水さんのように、上役の田中様が「中村さん!」って怒っているのに、屋台のところてんを啜りながら「夏はこれに限る」とか言いながら飄々とした姿がまたどこがで見れそうな気がして、全然実感がない。
ニュースで流れて、信じられなくてワイドショーでもさんざん見たけど、まだよく判らない。泣けるというより茫然という感じ。
ただ、声を詰まらせてインタビューを受ける京本さんを見たとき、「ああ、本当に亡くなってしまわれたんだ」と思って自分も凄い喪失感に襲われた。そして、京本さんはお辛いだろうなぁと思うと、胸が痛くて息がつまりそうだった。
でも、また、しばらく時間が経つと「本当なのかなぁ」と考えてる自分がいて。
これは相当ショックなんだなぁ自分と、まだ他人事のように感じています。
藤田さんは、私の中ではもちろん中村主水が一番インパクトが強くて、それ以外はないというくらいなのですが、現代劇のお姿も他の時代劇のお姿も見たことが無いわけじゃないけど、やっぱり中村主水でしょう。
藤田まことよりもむしろ、私の中では中村主水そのものの人だった。
私はおっさん主人公にゾクゾクしたことなんか、自慢じゃないが一度だってない。私はテレビに出る男に関しちゃ、子どもの頃からメン食いなんだ。銭形平次や長七郎さん(あの頃は助さんか音さんか)、江戸を斬るの金さんとかにグッとくることはあっても、間違っても主水さんにシビれる自分じゃなかったはず。なのに必殺の主水さんは子どもの私でもグッときた。棺桶の錠もカッコ良かったけど、情けないおじさんの殺しの時のあの非情さがとてもカッコ良いと思った。あ、あとマイナーながら「翔べ!必殺うら殺し」の先生も異様にシビれたけど。
必殺シリーズが大好きで、ずっと見続けてきて、その中で竜を演じた京本さんが大好きになって。
竜が出ない必殺なんてもう見ない、見たくないと哀しみのあまり断腸の思いで必殺シリーズを見なくなって、藤田さんというか主水さんも見なくなってしまったけど、ほとぼりが冷めた頃にたまたまテレビをつけて主水さんを見ると、なんだか親戚のおじさんを久々に見たような気持ちに近い感じで、「相変わらずだなぁ」と見ていたものだった。
一面識もないけど、中村主水はなんだか親戚のおじさんみたいなもんだった。私にとっては。
そんなふうに思えるほど、幼いころから見続けていたし親近感を感じるキャラクターだった。もちろん親戚に殺し屋はいないわけですけど。
その主水さんが、もういない。こうやって書いていてもまだ、実感がない。
これは、後から相当ジワジワくるなぁ。と、今現在もまだ続く喪失感の中で、この先まだまだ大きくなるであろう喪失感を感じながら、ようやくやっと、藤田さんお疲れさまでしたと書けるようになりました。
本当にお疲れさまでした。
鮮烈に記憶に残っている、あの中村主水の姿が忘れられません。忘れろと言われても忘れることは絶対にないでしょうけど。
梅安は何度かリメイクされていますが、主水は藤田さん以外あり得ないんだろうなぁ。
それは原作があるとかそういう事を超えて。
藤田さんのお葬式の時に、どこからか「主水!」という声がかかっていたけれど、あそこはやはり「八丁堀!」と声をかけて欲しかったなぁ。もし誰か、必殺メンバーがいたならそう声を掛けてくれただろうにと思わずにいられなかった。それは、そうでなかったことが尚更、現実に藤田さんが亡くなったという事実を私に突きつけられたからだけど。
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